カスタムメイド マウスピース型矯正装置
(インビザライン)
この病院について
マウスピース型矯正装置(インビザライン)とは、取り外しが可能なマウスピースを定期的に交換することで、歯を動かす装置です。透明で目立たない装置の為、矯正治療をしていることが分かりづらく、取り外し式の為、歯磨きも容易に行うことができる装置となります。
マウスピース型矯正装置は、2023年現在で数種類存在します。その中で最も歴史のあるマウスピース型矯正装置がインビザラインです。1997年コンピュータ科学者のZia Chishtiとスタンフォードの学生Kelsey Wirthによって考案された装置で、お口の型をとり、事前にスキャン→コンピュータシュミレーションにより歯の移動を計画します。その後、その患者様にあったオーダーメイドのマウスピースを製作していく装置です。
メリット
・薄くて目立ちにくい
・取り外しが出来て衛生的
・痛みが少ない
・金属アレルギーに対応
デメリット
・薬機法対象外である
インビザラインは、日本の薬事法上の医療機器に該当しません。
そのため、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
・使用時間に影響を受ける
・適応症例が限られる。
画期的的な矯正装置ですが、元々ドクターが考案した装置ではない為、実際に動かせるシュミレーションか?そうでないか?をドクターが検討することが必要となります。
日本の矯正歯科医の主要学術団体の1つである日本矯正歯科学会では、マウスピース型矯正装置についての指針を出しています。https://www.jos.gr.jp/guideline
(以下日本矯正歯科学会 アライナー型矯正装置による治療指針より抜粋)
治療における留意点
1) 効果は装着時間に影響される
ワイヤーと同等に力をかけ続ける必要がある為、使用が20時間以上使えなければ歯の動きは起こりません。
2) 傾斜移動が多い
3) 抜歯症例では、予期しない移動が発生することがある
歯の根っこの部分(歯根)を動かすことが難しい装置のため、歯を抜いて根を含めた全体を動かすには、他の補助的な装置や一部ワイヤーの使用が必要になる場合があります。場合によっては、裏側からのワイヤーを用いた装置や目立たない装置を推奨することもあります。
4) 術前のシミュレーションには歯根の位置に関する情報が欠けている
歯根の移動は難しいとされているため、歯根の移動を行う必要がある場合は、治療計画に補助的な装置の使用(部分的に短期間のワイヤー治療等)の検討が必要となります。
5) 歯冠形態によっては把持力に差異を生じることがある
歯冠(歯茎から生えている部分)の形でマウスピースの適合が変化してきます。
6) 咬合面を覆う形態のため、臼歯部が圧下されることがある
マウスピースを日常で噛んで使用していく為、噛む力で奥歯が潜ってきます。補助的な装置の使用を検討することがあります。
7) 保険診療には使用できない
保険適応の治療ではない(=自費治療)高額な治療となります。
以前よりも歯の移動について改善されておりますが、未だ発展途上の治療方法の為、以下の事に注意して治療方針を計画していく事が重要となります。
マウスピース型矯正装置は、適応の患者様であれば、違和感も少なくメリットも大きいため非常に優れた矯正装置です。